**第1章 民泊ビジネスを成功させるために、まず知って**
ただし、国はいま盛り上がっている民泊ビジネスの動きをストップさせたくない、むしろ推し進めたい、という思惑も持っています。
その理由の一つは、2020年に開催される東京オリンピックに向けた宿の確保なのですが、さらに「将来的には外国人観光客による経済効果は(3000万人の外国人観光客が一人30万円の買い物をしたとして)9兆円にものぼるだろう」という、国政的な理由も非常に大きいのです。
ちなみにこの数字は、日本の自動車産業における輸出額を軽く上まわる規模だそうで、もしもそれが実現すれば、日本経済は一気に上向きに転ずるはずです。
日本に820万戸あると言われる「空き家」を民泊として活用することができれば、その数字も現実的になってくるだろう、というのが国の考えなのです。
したがって国は、いままで野放しに近い状態だった無許可の民泊ビジネスについては今後取り締まりを強化していくことは当然とする一方で、民泊という新しいジャンルを考えつつ、その許可のハードルを少し下げることも考えなければいけない、という考えを持っています。つまり、旅館業法などの法改正にも取り組んでいる最中なのです。
厚生労働省や規制改革会議審議会などでいろいろな議論がなされていて、2016年4月1日からはすでに簡易宿所の面積の要件などを緩和する法改正(従来は33平米以内だった簡易宿所の定義を100平米以内に変更)が実施されています。また、1年間の営業日数が180日以下であれば旅館業法の規制を受けずに(つまり許可を取らなくても)、住居のまま民泊を行うことができるように認めてはどうか、などといった議論も行われています。最終的にはっきりするのは、2017年春以降となるでしょう。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。