**第1章 民泊ビジネスを成功させるために、まず知って**
京都市では、たくさんの無許可の民泊施設がいまも営業を続けています。これだけ無許可の民泊施設が一気に増えたのは、「手軽に始められると聞いたから」「みんな無許可だから」といった自分勝手でお気楽な理由がまかりとおってしまったからでしょう。
無許可の民泊施設というのは、いったいどのくらいの割合で存在しているのでしょうか。
2016年5月、京都市は民泊の実態調査結果をホームページで公表しました。8社の宿泊予約サイトで確認した2702件の民泊を調査したのです。結果は、旅館業法の許可を取っていることを確認できた民泊施設はわずかに189件、全体の7%にすぎないことがわかりました。
予約サイトを見るだけでは許可を取っているかどうかがわからない、というところもありますが、少なくとも1847件については無許可であることが推測できるとしています。これは68・4%にあたります。じつに7割の民泊が無許可で営業をしているのです。
無許可営業をしていることがわかれば、当局から逮捕されるのが原則です。「いや、これは民泊だから」「お小遣い稼ぎ程度のものだから」と言っても、罪を犯していることには変わりありません。実刑判決が出てもおかしくないのです。
京都市では、たとえ自宅の一部を気軽に提供するような場合であっても、宿泊料とみなされるような金銭をもらって人を宿泊させることは旅館業法第3条に基づく許可を得なければならないとして、無法状態になっている京都の民泊ビジネスに対して、いま少しずつ調査と改善指導を進めています。告発され、刑事罰が問われることになってもまったくおかしくありません。
おそらく、無許可で民泊を営業している人たちのなかには、それが無許可で法を犯しているという自覚さえない人も多いと思います。
また、許可が必要であることを理解しているとしても、あとの章で詳しく述べるように、京都市の条例にある「帳場を置くこと」あるいは「窓の大きさは客室面積の8分の1以上」といった許可要件が障壁となることが多く、それをクリアすることが困難であるために、「みんな無許可でやってるからウチも」とか、「なんか言われたらやめればいいや」くらいの感覚でやっているケースが少なくないのだと思います。
しかし、そのような「手軽さ」ばかりが民泊ビジネスの売り文句として、世の中を一人歩きしてしまっている現状は、とても危険だと私は思います。
民泊ビジネスは、一つの事業を起こすつもりでしっかりと計画を立て、そのための準備をして、もちろん許可を得たうえで、ビジネスとしての成功を目指すべきものです。そのチャンスが、いま私たちの目の前にあるということです。
そのビジネスチャンスは、2020年の東京オリンピックを考えなくても、とても大きいものだと思います。手軽にやってお小遣い程度という認識をあらためて、しっかりした事業にするチャンスととらえるべきだと思うのです。たとえサイドビジネスであっても、です。
民泊に対してそのようなとらえ方をすると、さまざまな面での「面白さ」がクローズアップされてきます。その魅力についても、あとの章で述べようと思います。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。