**第2章 さあ、京都で始めよう**
新しく民泊ビジネスを始めようというとき、コンセプトはやはり外国人観光客を意識したものにすべきでしょう。
観光ビジネスとしては、日本人客だけを狙った展開は今後むずかしいものになると考えられています。急激な高齢化が進むため、日本人の観光客はこれから大幅に少なくなっていくからです。
とくに、世界中につながっているAirbnbを利用した集客を行うことがベースとなるのですから、お客さんのターゲットも世界からやって来る観光客をメインにすえるべき、というのがオーソドックスな狙いになります。
すると、こんな質問を受けることがあります。
「お客さんが外国人か日本人かは、とくに意識をしなくてもよいのではないか。日本らしさを上手に打ち出すことで、日本人観光客も外国人観光客も同じように来てもらうほうが合理的ではないか」
そのように考える人もいるかもしれません。しかし、実は日本のイメージというのは、私たち日本人と外国人で大きく異なっています。
日本人は、やはり侘び寂びの風情がただよう情景や建物に、日本らしさを感じます。しかし、ほかの国で暮らしていて「日本へ行きたい、日本を観光してみたい」と思う人たちが思い描く「こんな旅行がしてみたい、こんなところに泊まってみたい」というのは、日本人の描くそのようなイメージとは少し異なっているようなのです。
もちろん外国人観光客は「日本らしさ」を求めて来るわけですが、その「日本らしさ」は私たちの感覚からすると少しズレがあるような気がするのです。
いま外国人観光客が殺到している人気の民泊施設には、日本らしさが「これでもか」とばかりあしらわれていたりします。そこに日本人が泊まると、おそらくは少々ズッコケてしまうような感覚です。派手でごてごてしていて、日本人としてはなにか120パーセント出し切ったような圧迫感や違和感を覚えると思うのです。わざとらしい、作為的、落ち着かない、というような感じですが、外国人は「せっかく日本にきたのだからドップリと、とことん日本的なものに浸りたい」と考えて、そういうところに惹かれるのです。
外国人にとっては、日本には圧倒的なエキゾチシズム、異国観があると思います。何十年も日本が観光大国として外国人を受け入れていけば、外国人のそのような感覚は少しずつ薄まっていく(つまり本来の日本らしさを理解してくる)のでしょうが、一朝一夕にはそうなりません。しばらくは、彼らの日本への強い異国観は変わらないはずです。それを求めて、日本へ来るのだと思います。
その外国人の感覚に合わせることは、民泊ビジネスをスタートするうえで、忘れてはならないことだと思います。
その意味で、典型的な日本の観光名所である京都という場所で民泊を行う大きな意味があるのだと思います。世界の人が感じる手っとり早い、ステレオタイプな日本のイメージに、京都はベストマッチするからです。京都は世界的なブランドなのです。
しかも、京都は日本人にも人気です。日本人もほかの地域にはない何かを京都に感じるし、外国人と同じような絶対的なブランド感を持っている人も多いでしょう。好きな人にとって京都は、季節ごとに訪れたいと思わせる魅力があるようです。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。