**第2章 さあ、京都で始めよう**
民泊ビジネス目線で言うと、いまの京都における観光上のトピックスは、なんといっても「伏見稲荷」でしょう。伏見稲荷は全国に3万社もあるといわれる稲荷神社の総本宮で、山頂まで並ぶ「千本鳥居」が有名です。
旅行に関する口コミなどを掲載する世界的なアプリ『トリップアドバイザー』は、外国人によって投稿された日本の人気観光スポットについて調べました。伏見稲荷は2011年には6位だったのが翌年は3位、2014年にはとうとう1位になってしまいました。立ち並ぶ鳥居の鮮やかな朱色と周辺の森の深緑の対比がエキゾチックな異空間を醸しだしていると、京都を訪れる外国人はみんな伏見稲荷を目指すそうです。
たしかに素晴らしい神社です。しかし日本人にとっての伏見稲荷は、京都のなかでダントツの1位というわけではありません。伏見稲荷は外国人観光客によって突然、たくさんの観光客が集まるところになってしまったのです。
民泊施設も増えたそうです。しかし、周辺には夜間にちょっとした食事ができるようなところがありません。宿泊施設だけ確保した外国人旅行者が、ふだんの生活で必要なものを手軽に購入できるようなところが不足しています。
伏見稲荷は駅からも近いので、このような状況は周辺のビジネスチャンスでもあります。このようなときに民泊施設も協力して、むしろ率先して、外国人観光客の利便をはかれるような統一的な取り組みが町全体でできれば、その地域の経済を大きく潤わせることにつながっていくわけです。
民泊ビジネスに参入するということは、その地域の町づくりと深く関わっていく、ということでもあります。京都に民泊をつくる事業を計画していく段階で、これは「どのような民泊にするのか」というコンセプトを考えるときに、それはとても大切な要件になると思います。
近隣の食事処、居酒屋、レンタサイクル店、あるいは着付け写真店などなど、さまざまな商業施設と「一緒にビジネスを盛り上げていきましょう」という感覚で、近隣と積極的に関わっていくことが民泊成功のカギとなるわけです。
そうしたなかから、旅行者が求めている「京都ブランド」を大切にしていく、そのニーズに応えていくという戦略もできてくるのではないかと思います。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。