**第2章 さあ、京都で始めよう**
私がなぜ京都を拠点に選んだのか。それは学生時代を過ごした京都が好きだったということもありますが、さらに2011年に起こった東日本大震災後の状況が大きなきっかけとなりました。
震災のあとの報道は偏向したものが多く、どこか国民全体で自粛とか節約ということが強要されているような気にさせられました。私はそんな風潮に嫌気がさしていて、そこから逃れたいという思いが募ってきたのです。
景気が落ち込んでいる、いまは浮かれている場合ではないという話ばかりでは、自分自身の意欲まで削がれそうな気がしました。それは、世の中全体にも波及します。
マスコミ報道は、人々に大きな影響を与えるものです。毎日のように「景気が悪い」と聞かされていれば、たくさんの経営者のやる気マインドも眠らされたままになるでしょう。潜在的にあるはずのチャンスが見えてこなくなります。結果として、不景気の負のスパイラルに陥っていくのです。
京都の景気に関しても、いまとくにプラスの報道が聞かれるわけではありません。しかし私の見る限りでは、そのマイナス評価は実感できないものばかりです。
先日ある民泊オーナーとお会いしたときも、京都の不動産物件はいまどんどん動いている、というお話を聞きました。それに伴ってお金も動いているので、京都の経済はこれからもさらに良くなっていくのではないかと、そんなお話をしたばかりです。
いま、京都の町には間違いなく活気があると思います。そしてそれを支えているのは、外国人を主とした観光客の増加なのです。
ただし、観光を意識した町として京都は、中心地以外のインフラ整備がまだまだ不十分という気がします。道路がぼろぼろで歩きにくいようなところも多く、そうしたところで外国人観光客を見かけると少し残念に思います。
いま京都は景気がいいと思いますが、実は京都市にはお金が潤沢にあるわけではありません。地方自治体の収入というのは固定資産税が大きいのですが、京都の場合は古い建物が多く、減価償却が終わってしまっていて課税できないものが多いのです。京都市の収入は限られている、ということになります。
ただし、お金がなければないなりに工夫はできるはずです。
たとえば電線を地下に埋めて電柱のない町をつくるには莫大なお金が必要と思われますが、すでに存在している地下インフラを利用すれば驚くほど安くできます。そういう方法がないわけではないのです。
京都の観光経済は今後、さらに急激に右肩上がりになっていくはずです。それに見合う都市をつくっていかなければいけません。京都市は、そのことを覚悟して、いまからそこに見合った「工夫」にチャレンジしていくべきではないかと思います。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。