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行政書士は、どういう専門家なのか?

**第4章 許可が下りなくても、あきらめないで!**

行政書士の業務は、行政に提出する書類を代行して書く、ということにあります。そのほか、権利義務や事実証明に関する書類の作成業務などもあります。遺言書の作成に関わることもあります。業務内容はさまざまです。

そのなかで現実的に最も多く、わかりやすいのが、営業の許可です。

許可を必要とする事業には、さまざまなものがあります。いずれも一定の規制をクリアして営業の許可を取らなければ、実際に営業はできないことになっています。旅館・ホテル・民泊も、その一つなのです。

ところが、多くの行政書士事務所は、許可を必要とするすべての業種の許可申請手続の代行をあまねく請け負っているわけではありません。建設業専門の行政事務所、運送業(自動車登録)専門の行政事務所、あるいは風俗店専門の行政書士事務所と、それぞれが専門に行っている業種をつくって、そこに特化しているのです。

その理由はもちろん、自分たちのためです。それぞれの事業ごとに許可の要件は決まっていますから、専門特化して業務をしていれば効率的ですし、合理的だからです。業務の遂行が迅速になるのは、お客さんにとってもよいことかもしれません。

事務所の名称には「〇〇業認可専門・〇〇〇〇行政書士事務所」などと、専門に行っている業務が書いてあることが多いですし、ホームページや広告などにも当然、そのことが書かれています。したがって依頼する人もすでにそのことを理解して電話をしますから、「その業務はやっていません」と断られることは現実的には多くないかもしれません。

しかし私は、専門分野を縦割りにした業務の特化によっては、お客さんの持っている潜在的なニーズに応えられない、あるいは、このような形では行政書士が持つポテンシャルを出し切れないと考えています。

行政書士業務の専門性を持つことはもちろん差し支えありませんが、その専門以外の件に関しても、つまりお客さんが事業者として今後関わっていくであろう多くの問題に関するさまざまなことについても、的確な道しるべとなるアドバイスや情報提供ができる、それが専門家の理想ではないかと考えているのです。

民泊ビジネスの許可申請手続も同様です。許可申請手続きの代行業務を請け負ったのであれば、そのとき同時にその民泊ビジネスで必要な土地、建物、近隣地域との関係に深く関わることになります。それは、営業を始めたあとの経営戦略にも関わってきますし、その営業権を今後どのように扱っていくのかという中長期の展望とも関連がないわけではありません。

あるいは新しい事業を始めれば税金も関わってくるでしょうし、いろいろなトラブルも起こる可能性があります。

そのすべての問題に対して完璧な専門性を示すことができないとしても、行政書士であれば、事が起こる前の段階で的確な準備が必要であることをお客さんに示唆することはできるはずです。道しるべにはなれます。行政書士はそれだけの勉強をして国家資格を取っているからですし、経験もあるからです。

それを活かしきれていないことは現在の行政書士の課題ではないかと、私はかなり大きな危機感を覚えています。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。