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行政書士のあるべき姿とは

**第4章 許可が下りなくても、あきらめないで!**

行政書士は「行政に提出する書類を書く専門家」ですが、その仕事を機械的にしていればいいというものではないと思います。役所の窓口が一つで済まないように、お客さんの最終的な希望、目的を達成していただくためには、ただ民泊営業の許可を取っただけではまったく不十分ということが当たり前のように多いからです。

たとえば、民泊の許可要件とは関係ないけれども、周辺地域の人たちにその営業を納得してもらうこと、できれば提携して一緒に地域を盛り上げていくことなども、成功のためは大事な要件です。

あるいは、客単価をどのくらいに設定して、どのようなコンセプトでどのようなクラスの宿泊客に来てもらう民泊施設にしていくのか、それによって建物のつくりも異なってきますし、それが許可要件と関連してくることもあります。

あるいは、私に民泊許可の依頼に来たお客さんが、町家を購入したがそのままでは使えないのでリフォームが必要だ、そのためにたくさんのお金がかかる、という悩みを持っていることを私が知れば、京都市から町家のリフォームに対して補助金が出る、それをもらうための要件はこれとこれ、というように情報を差し上げることもできるわけです。行政書士として市役所とのやりとりをしていれば、自然にそういう情報は頭に入っていますから、そういうことも可能になります。

あるいは、民泊ビジネスのスタートのために融資を受けなければならないとなれば、事業計画をきちんと立てて、銀行にはどのように説明したほうがいいか、といったアドバイスも可能です。

私の行政書士事務所は民泊に特化してやっているように見えるかもしれませんが、実はそうではありません。私が対象となる営業の許可手続だけでなく、そこに関連する事項にも目配りをしてお客さんのために仕事をしていきたいというポリシーをもっていたために、自然に民泊の仕事が多くなったのだと思っています。

実は、このことはとても大事なことだと私は考えています。口幅ったい言い方になりますが、そのように全体的なところでお客さんの目的をサポートできる行政書士を増やしていかなければいけないという思いから、私は「財団法人日本ソリスタ協会・全国行政書士業務支援機構」という組織をつくり、行政書士や公務員向けにセミナーや研修活動を続けているわけです。

依頼者の置かれたさまざまな事情によって、法律は意味合いが異なってきます。それを理解して応用し、さらに複数の法制度や行政サービスを組み合わせることによって、依頼者の意図や目的に沿ったオリジナルな解決法を実現していく。それが、行政書士の行うべき仕事なのです。業種を特化して、民泊の許可申請代行の依頼はお断りしている現実では、その理想から大きくかけ離れてしまっています。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。