**第4章 許可が下りなくても、あきらめないで!**
行政書士事務所に民泊の許可申請手続を依頼しても、なぜか断られてしまうことが多い。そこには、もう一つの理由があります。それは民泊の許可というのは常に「一点モノ」である、ということです。
たとえば、行政書士が行う仕事として最も一般的なものは、自動車の登録代行によってナンバーをもらう仕事です。この業務では、許可の要件としてどの車両もほぼ変わることはありませんし、判断や解釈が難しい例外的な問題はほとんどありません。どのようなお客さんのどのような車両でも、それに当てはまる規約にのっとって許可書類を作成していけばよいわけです。
ところが、民泊の許可手続の場合には、まったく事情は異なります。
第一に、民泊施設の建物というのは土地の上に建っているもので、その土地というのは日本で一つしかないわけです。また、その上に立っている民泊の営業に使いたいと申請する建物にしても、世の中にそこにしかない建物である場合がほとんどです。間取りも高さも、やはり一点モノです。
したがって民泊の許可手続というのは、依頼されたお客さんのそれぞれの物件の、しかも一つずつを丹念に見て、その一つずつに対応して許可申請を取っていくことが必要になります。その一つずつについて、「これは許可できない」「いや許可される範囲」などと、役所との折衝を行っていくのです。
当然、その代行業務は画一的に行うことはできません。一つ一つ臨機応変に知識を使い分け、工夫が求められる可能性もあります。誰でも同じようにできる仕事というわけではなくなっていきます。それは行政書士事務所の利益率という意味では、非効率なのかもしれません。
しかし私は、行政書士という国家資格を得た人は、大きな「法律家」というくくりのなかで人々の役に立てる専門的な業務を行っていくべき存在だと考えています。それが出発点ですし、当然のことだと思います。その当然のことが、事務所経営の成功ノウハウを追求したがために失われたというのは、行政書士にとっても不幸なことだと考えるのです。
この点について、私自身の経験を織りまぜて、もう少し述べてみたいと思います。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。