**第4章 許可が下りなくても、あきらめないで!**
京都市は、平成28年12月から新たな「指導要綱」を実施しています。旅館業施設の事業者(実質的には新しく参入する民泊事業者)を対象としたもので、正式には「京都市旅館業施設における安心安全及び地域の生活環境との調和の確保に関する指導要綱」という名称ですhttp://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000193/193288/anshin-anzenyoko.pdf 。
この「指導要綱」が、新しく京都で民泊をやってみようかと考えている事業者にとって、大きな障壁になっていくのではないかと懸念されるのです。
内容には、①近隣住民や自治会などへの説明(説明会およびその報告書)、②事業計画の事前公表(看板の設置)、③宿泊客と帳場で対面して宿泊帳簿をつけてもらうこと、④近隣住民が考える迷惑行為を行わないように宿泊客に周知させ、もし迷惑行為が行われたら事業者がすぐにやめさせること、⑤市職員による施設の立ち入り調査、宿泊者の調査、⑥申請時に新たな書類を提出すること(計画概要、申立書、指導事項実施計画など5点)などが織り込まれています。
最初に結論を言っておくと、「指導要項」は許可要件にはなりません。事業者に対する「お願いベース」の通達です。したがって当然ですが、これを守らないと民泊営業が許可されない、ということは法的にありえません。
ところが公表されている「指導要綱」を実際に読んでみると、「これから以下のように取り締まっていくからきちんと守るように、もし守れないなら許可されないかもしれないし、営業中の施設は許可が取り下げられるかもしれない」と、お上が一方的に通達したもののように読めてしまいます。それほど上から目線なのです。誰もが、これを守らないと民泊はできないと考えてしまいそうな厳格な条例のような感じを与えるのです。
実際、近隣住民との関係はデリケートな問題で、こじれることもあります。そこに、さらにこのようなお達しがあれば、「そこまで苦労したくない」とあきらめてしまう人もいるかもしれません。結果として、この「指導要項」が京都での民泊事業の許可のハードルを上げてしまう可能性があるわけです。
京都市の狙いはそこにあるのかもしれませんが、しかし、それは誤解なのです。京都市は意図的に市民(事業者と近隣住民の双方の)の誤解をつくって申請を減らしたいのかもしれませんが、それはまったくフェアなやり方ではありません。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。