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「指導要綱」は許可要件ではない、法的拘束力もない

**第4章 許可が下りなくても、あきらめないで!**

もう一度言いますが、「指導要綱」には法的拘束力はありません。あくまでも京都市の行政指導ですから、首根っこをつかんで守らせるようなものではなく、「こういう問題の可能性があるのでこうしてもらえるようにお願いします」と、事業者にお願いするレベルのものなのです。たとえ守らなくても罰せられませんし、後ろめたさを感じる必要もありません。ところがこの「指導要項」ははじめから「事業者に守っていただくこと」と、あたかもこれを守らないと許可しないかのような表現で、まるで条例のように表現されていることが大きな問題なのです。

これでは、住民が反対しさえすれば民泊事業はできなくなる、ということになってしまうでしょう。この「指導要項」は、そのような誤解を事業者ばかりではなく住民側にも起こさせる危険があるのです。それは営業の自由、職業選択の自由を奪うことにつながります。

国の法律も条例も、そこで民泊施設をつくって事業を行ってもよいとしています。それはそもそも用途地域で定められているのです。そもそも住居専用地域では、民泊事業は許可されません。いま述べた住民の要望は、民泊事業を行ってもよい住居地域や商業地域だからこそ、出てくるものなのです。

また、今回の京都の「指導要項」は事業者が住民から出される要望を聞くように求めていますが、たとえば「宿泊者が犯罪を含む迷惑行為をしたら事業者が責任を取ってほしい」というのは法的にできないことです。すると「では、そのような宿泊者は泊めないでほしい」という要望があるかもしれませんが、民泊事業者はきちんとお金を支払うお客さんを風体や態度だけで宿泊を拒むことができないように法律で定められています(旅館業法)。これは大きなホテルも旅館も同じです。

観光地のホテルに泊まっていた外国人が近くで迷惑行為をしたからといって、そのホテルの責任にはなりようがありません。民泊施設も同様なのです。

それを、小さな民泊事業者だからけしからん、責任を取らせろというのは、やはり無理があります。その無理は誤解から生まれるもので、今回の京都市が実施した(法的拘束力があるかのような表現の)「指導要綱」は、その誤解をさらに助長させてしまう危険があるのです。

私は、京都市が「民泊施設が急激に増加するのは好ましくない」と考えることを問題にしているわけではありません。しかしもしそうであれば、それは市の職員が勝手につくった(実効性のない)「指導要項」によって行おうとするのではなく、議会で議論してきちんとした条例を制定して行うべきなのです。つまり、許可要件とする、ということです。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。