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この物件は町家なのか? そもそも町家とは何なのか?

**第5章 京都市での「民泊」許可申請手続き、その現実**

さて、民泊ビジネスを考えている事業家にとって、必要ない帳場を設置しなければいけないのか、それともなくてもいいのかには、ものすごく大きな差があります。

「私は小さな民泊を考えているので、町家を購入して、帳場を設置しなくても済むようにしたい」と考え、町家の物件を購入する人がいてもおかしくはありません。

ところが、それが町家かどうかの判断が非常に難しいのです。

一言で「町家」と言っても、いろいろな物件があります。「これは町家として購入した」といえば町家として認めてもらえるのかと言えば、そんなことはありません。

そもそも京都市が許可の特例を認めている「町家」とは、いったいどういうものなのか、そこをしっかりと見定めて、リフォームの計画などもふまえて、購入の段取りを立てていかなければならないことになります。

ところが、ここに京都市役所の抱える大きな問題があるのです。それは「これは町家である、これは町家ではない」という判断基準が市役所内できちんと統一されているわけではない、ということです。その例については、後述します。

ここでは、京都市が言う「町家とはなにか」を整理しておきましょう。

法的には、どのようなものが町家か、ということについての定義はありません。「町家」とはもともと人々に感覚的に使われている用語です。したがって、曖昧なものであり、厳密に定義することはできません。グレーゾーンもたくさんあるのが当たり前なのです。

そうしたなかで、京都市は「町家とは何か」という判断をしなければなりません。そこで一応のメルクマールをつくって提示しています。

京都市が問題にする「町家かどうか」の主なポイントは、以下の3点です。

①京都市内にある伝統的な建築物

伝統的な建築物というのは、第二次世界大戦前に建てられたもの、という解釈です。

その時代には、木造軸組工法という現在では使われていない工法で家が建てられていました。釘などの金物はほとんど使われていません。そのような工法の木造家屋であることが要件になります。

そして当然ですが、そうした建物が京都市内にある、ということは基本的な京町家の条件です。京都市郊外に古い農家の民家があっても、それは町家とは言いません。

②屋根が出入口(通り)に向かって傾斜している

町家の町並みを見たことがある人はわかりますが、通りに沿った各家の屋根がそろっているのが特徴です。一般的には切妻の面しているところに出入口があるものですが、町家というのは出入口に向かって、つまり道路に向かって屋根が下がっているのです。これは屋根が軒を並べる町家の町並みの大きな特徴になっています。ただし、もともと定義などないわけですから、そうなっていない町家ももちろん存在します。

③窓には木の格子が嵌められている

町家の出入口は、木の格子が嵌められています。これも、町家の風景ではなくてはならないものとされています。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。