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こっちは許可、こっちは不許可?

**第5章 京都市での「民泊」許可申請手続き、その現実**

まず、町家かどうかについて、窓の木枠の要件から見ていきましょう。

私がいま実際に依頼を受けて、民泊営業の許認可申請の代行を行っている「町家」の話です。それは明らかに戦前からある建物で、京都市のメルクマールから見ても間違いなく町家と判断される建物です。

ところが、もうかなり昔に行われたものと思われますが、あるとき窓を改装してそのとき木格子のところにガラス窓を入れたのです。ただし、窓の前にアルミ製の格子が付けられています。素材はアルミですが、町家らしく見えるように配慮したのか、茶色く塗られています。また、出入口になっている引き戸の扉もあとから替えたもので、木の格子の扉にはなっていません。

さて、これは町家かどうか。京都市役所は「これは木製の格子が入っていないから町屋とは認められない」という判断でした。「であるから、帳場が必要である」というわけです。これはすでにリフォーム工事も始まっている途中の段階で、そう言ってきたのです。

その物件は40平米くらいの小さな平屋建てです。これに最低2平米の帳場を付けたら、部屋はさらに狭くなってしまいます。帳場は営業上必要ないものです。しかも、リフォーム工事は進んでいるわけですから、あらたに帳場を設置するとなると大きな(かなり無理な)変更が必要になってしまいます。

私は、「それ(京都市の判断)はおかしいだろう」と思いました。

たまたま私が同じように民泊の許認可代行を行った物件で、同じように窓がアルミの格子になっていたものがありました。扉も、木ではありませんでした。ところがその物件は、許可が通ったのです。それは大昔から続いていた呉服店の建物で、いかにも町家という感じでしたから、扉や窓の格子が木製ではないことだけで担当者は「町家ではない」と否定できなかったのでしょう。

しかしそれなら、今回の物件も、アルミ製であることが否定の理由にはならないことになります。法的には、同じように要件を満たしているのに、こちらは許可、こちらは不許可ということはあってはならないからです。

そもそも京都市の旅館業部署は、帳場を付けることを許可の必須要件にして民泊への参入障壁にしようとしていますから、町家かどうかの判断は厳しくしようという傾向にあります。しかも、そのメルクマールがかなり曖昧で担当者によって違う、物件によって違うということも平気で起こっています。だから「その判断はおかしい、不許可になるのは認められない」ということになるわけです。

私が役所で勤務していた経験から思うに、このような判断を公平に行っていくためには、たとえば窓の格子が木ではなくアルミだったらマイナス何点、屋根が瓦葺きではなくトタン屋根になっていたらマイナス何点、平屋ではなかったらマイナス何点、というように減点性にして、何点以上ないと町家とは認められない、その場合は帳場が必要になる、というようにすればわかりやすいと思います。

そういうことはいま京都市では行われていないので、現状では突っ込みどころはたくさんあります。申請時に否定されても、通せるケースもかなりあるということです。

実際にこの事例も、過去に許可された事例と同じであることから、町家として認められました。リフォーム工事を中止しないで済み、施主さんは安心となりました。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。