**第2章**
近年、職場でのストレスは増加傾向にあり、厚生労働省の調査によると仕事に関して強い不安やストレスを感じている人は2012年の時点で約6割に上っています(「労働者健康状況調査」より)。そして、その要因のひとつとされているのが、セクハラ、パワハラに代表される「ハラスメント(いやがらせ)」です。
厚生労働省が発表した「平成26年度個別労働紛争解決制度施行状況」によると、総合労働相談のうち、民事上の個別労働紛争の相談内容では「いじめ・嫌がらせ」が6万2191件と、3年連続で最多となりました。
現代の企業にとって、嫌がらせによる訴訟は決して他人事ではありません。たとえば、従業員がセクハラで訴えた場合、事業主はどのような行動に出ればいいのでしょうか。
まずは、当事者を含む職場への速やかな事実確認が求められるのですが、その場合でも、各自治体の相談窓口を利用するのが良い方法です。
セクハラでの相談窓口というと、被害者が利用するものというイメージがありますが、加害者や事業主でも利用することができます。厚生労働省では、「紛争解決助成制度」を実施しており、各自治体において無料の個別労働紛争の解決援助サービスが提供されています。
トラブルの申し立てをすると、申立者、被申立者に対する事情聴取、第三者への事情聴取などをもとに、問題解決に必要な助言や援助などを受けることができます。社内のトラブルに関して同じ社内の人間が聴取を行うと、つい個人的な感情が入ってしまう場合もありますので、その点でも、第三者によって事情聴取が行われるのは、トラブル解決への近道といえるでしょう。
紛争解決への援助としては、「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」「パートタイム労働法」に則り、就業規則の改正や社内への周知など、具体的な改善指導策も受けることができます。
また、話し合いや社内環境の改善で両者の合意が得られない場合は、状況に合わせて機会均等調停会議(均等法)、両立支援調停会議(育介法)、均等待遇調停会議(パート法)による調停が行われます。調停の際にも、弁護士や大学教授、家庭裁判所の調停委員、社会保険労務士など、労働問題の専門家による援助を受けることができるので、上手に活用してください。
最近では、自分から好意を寄せてアプローチしていたにも関わらず、相手にされないと分かった途端に腹いせとしてセクハラを訴えるというケースも増えているようです。その場合でも、このサービスを利用することで、法律の専門家に請求内容の妥当性などを聞くことができます。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。