**第2章**
2015年に全国の警察が認知したストーカー事案の件数は2万1968件、過去最高となった前年に比べマイナス3・7%の減少となりましたが、依然高い水準を保っています。
被害者と加害者の関係では、「交際相手(元交際相手含む)」が計49・6%と最多、次いで「知人・友人」が12・4%、「勤務先同僚・職場関係」が11・3%となっており、ストーカー行為については、つきまといや待ち伏せ、面会や交際の要求のほかに近年増加しているのが「電子メール」による被害です。2013年7月の法改正により「電子メールの連続送信」が規制の対象となりましたが、それでも発生状況は増加を続けています。
また、近年はストーカーの手口も複雑化しており、被害者のなかには、いやがらせや付きまといを受けていると感じていても、どこへ相談・依頼すればいいのかわからない方が多くいます。また、どこまでの行為を「ストーカー被害」と判断してもよいのかわからず、家族、友人に相談しても、「考えすぎなのでは?」などと軽く流される場合もあるはずです。
各市町村の行政サービスには、ストーカー被害に関する相談窓口や、前述した「女性の人権ホットライン」のような電話相談を受け付けているところがあります。また、警察への相談でも、相談窓口に直接出向かなくても、警察相談専用電話 #9110が利用できます。これは各都道府県の警察総合相談室などの相談窓口に直接つながる全国共通の電話番号です。
たとえば、「職場にしつこく訪ねて来る男性がいて、自宅にまで押しかけて来る」という女性からの相談があるとしましょう。その場合の警察の対応としては、相談者が強い不安を覚えていたことから、相談者の身辺を警戒するとともに、行為者である男性の特定が考えられます。そして相談者等に危害が加えられる危険性がある場合には、行為者に対しストーカー規制法に基づいて警告を実施、それでも行為が止まない場合は禁止命令、そして1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科す可能性があります。
相談窓口では、相談業務を担当する専門の「警察安全相談員」などの職員が、相談者のプライバシーの保護や心情・境遇などに配慮しながら相談を受け付けてくれます。また、内容によっては、法テラスや女性相談所など専門機関への引き継ぎや紹介も受けられます。
そして相談内容から事件に至らないように、必要に応じて被害者への防犯指導、犯罪被害の未然防止のための相手方への指導・警告などの対応を受けることができます。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。