**第2章**
一般的には、過払い金の返還請求や自己破産を検討することになります。自己破産とは、保有する財産をお金に換えても借金が返済できない場合、裁判所に破産を申し立てることです。これによって支払い義務を免れることができます(「免責」といいます)。
しかしながら、これだけでは救済としては必ずしも十分ではありません。過払い金はいずれ返還されるとしても、直ちにお金が返ってくるわけではありません。今日の生活費にも事欠くような場合はこれでは困ります。また、破産手続をするときは、過払い金は破産手続きによって処理され、負債の支払いにあてられますので返ってきません。つまり、免責しても将来の収入が保証されるわけではないのです。
また、負債の全てが免責されるわけではなく、基準時以降の負債(新しい借入)は残りますし、税金も免責されません。ですから、生活を立て直すためには、以下のような手段を検討してみるべきです。
ア.租税公課については、請求額を減らしてもらう減免や支払い義務を先延ばししてもらい、場合によっては支払い義務自体が消滅することもある「徴収猶予」「換価猶予」等を申請する
イ.夜逃げ状態で定住する場所がないなら、これを確保するため市営住宅の斡旋を受ける
ウ.生活保護の申請をして扶助費の給付を受ける
エ.当座の生活費にも事欠くようであれば、社会福祉協議会に緊急融資を依頼する
このように司法制度を背景としつつも各種の行政サービスを活用することによって、より実効性のある権利救済・権利実現が可能となるケースは非常に多いと言えます。これらは、すべて行政で受けられるサービスです(社会福祉協議会は厳密には行政ではありませんが、市町村の地域行政と密接な関係があります)。ただし、各手段にはそれぞれ要件がありますので、全てが解決できるわけではありません。
また、都心部以外の地域では法律家は行政実務に疎く、自治体の窓口も細分化されているため、措置が実行されるのに時間がかかる傾向があります。司法サービスに行政サービスを併用したトータルの法的サービスの提供が望まれます。
賃貸住宅の敷金を返金してもらえない
活用するサービス・サポート
行政サービス→司法・裁判所・支払督促・公正証書
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。