**第2章**
厚生労働省のデータによれば、2015年の離婚件数は22万5000組でした(「人口動態統計」より)。日本の離婚件数は、2002年に最多の28万9836組を記録して以来、少しずつ減る傾向にあるようですが、2015年の婚姻件数が63万5000組であることを踏まえるなら、離婚率は約30%、決して低いとはいえません。
夫婦のどちらかが離婚を望む場合、まずは「協議離婚」を検討すべきです。離婚となると、直ちに裁判と考える方もおられるようですが、それは最終手段と心得るべきです。協議離婚では、お互いに離婚について相談をし、合意が得られれば区役所などに離婚届を提出することで離婚が成立します。裁判所の関与もなく、一番簡単な離婚方法であり、現在、日本の離婚は9割近くが協議離婚となっています。
ところが、「子どもがいる」「持ち家がある」など、権利や財産が関係する場合は注意が必要です。口頭での約束だけで金額などを決めてしまうと、後々のトラブルに発展する可能性があるからです。離婚時は円満と思っていても、その後の生活の変化によって、何が起こるかはわからないのです。
その場合、「離婚協議書」を作成することで、トラブルを回避することができます。離婚協議書には、たとえば養育費について支払う金額、頻度、期限などを具体的に記入していきます。そのため、作成の前には、必ず区役所の無料法律相談や公証人役場での無料相談を受けておきましょう。慰謝料や養育費の相場、作成時の文言などについてのアドバイスを受けることができます。
また、公証人役場で「強制執行認諾約款付き公正証書」にしていれば、紛失の恐れがないだけでなく、たとえ支払がなかった場合でも強制執行することができるので、裁判などで時間や費用を使わずに解決することができます。
離婚協議書の作成にあっては、行政書士に原案作りを依頼するのも一案です。原案は、片側の意向だけを反映させた内容となるため、それでいきなり合意を得られることは、まずありませんが、言葉だけで言い合いをするよりも、少なくとも第三者の手によって書かれた文章を前にすることで、お互いが少しでも冷静になれれば、協議も前に進む可能性が高まります。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。