**第2章**
個人事業から法人化、たとえば株式会社を設置する場合には、資産の扱いに注意する必要があります。
資産の扱い方には大きく分けて2つあります。つまり新しく設立する法人に貸すか、あるいは現物として出資するかのいずれかとなります。出資というとお金をイメージしがちですが、現物出資といって不動産や動産を金銭評価し、新しい法人に持たせることもできるのです。ただ単に貸すのか、それとも出資として所有権を移転するのか。両者の間には大きな違いがあります。
税務や会計処理に関わる立場からみれば、資産は基本的に法人に帰属させた方が処理も簡単です。ところが、これまで事業を営んできた個人事業主の立場で考えると、判断基準が少し変わってくるのです。
すなわち建屋を作るとき、あるいは機械などの設備の導入時に個人事業主は身銭を切っています。こうした設備投資に対しては「減価償却」が行われます。たとえば1000万円の機械を購入した場合、その年に1000万円の経費計上をするのではなく、5年や10年をかけて毎年少しずつ経費として計上するのです。
従って、個人事業から法人化する際に現物出資した場合は、新しく立ち上げられた法人も、中古で手に入れた建物や機械の時価を評価し、減価償却していくことになります。
一方、現物出資せず個人が法人に貸す場合は、法人から個人に対して使用料ないし賃料を支払う形となります。ここでは、個人としては減価償却の続いていることがポイントです。仮に賃料よりも減価償却費が多い場合には、個人は赤字となり、この赤字を考慮する必要があるのです。
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。