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株式会社の資本金設定

**第2章**

大企業とはいえ終身雇用が保証されなくなってきた社会情勢を背景として、大学卒業後にとりあえず就職するのではなく、得意分野を活かし独立することを選ぶ若者が増えています。

こうした動きに輪をかけているのが、会社法の改正です。現在、株式会社や合同会社は資産が1円以上あれば設立することができるようになりました。会社法施行以前は1991年の改正商法施行によって導入された最低資本金制度により、株式会社は資本金の最低額が1000万円以上、有限会社は300万円の最低資本金が必要でした。それが1円以上でよくなったのですから、株式会社を設立できる人が増えたのは当然と言えます。

しかし、株式会社設立時に本当に資本金が1円でいいかと問われるなら、そこはよく考える必要があるでしょう。仮に法人を作る目的が、個人ではなかなか得ることが難しい社会的信用を得ることだった場合、資本金が1円しかなければどうなるでしょうか。

取引相手からみれば、資本金が1円の会社と、たとえば300万円なり500万円なりを持っている会社とでは、どちらの信用力が高いかはあきらかです。また資産が本当に1円しかなければ、何かの取引をしただけで、一時的とはいえあっという間に債務超過に陥ってしまいます。銀行などの金融機関は原則として、債務超過を貸付ができない条件としているところが多いため、必要な融資を受けられなくなる恐れもあります。

資本金の設定については、単に少なければよいと考えるのではなく、本来の設立目的に立ち返って考えることが必要です。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。