**第2章**
医療法人を設立するためには、まず人に関する下記の4つの要件を満たす必要があります。
・医師または歯科医師がいること
・欠格事由(医療法第46条の2第2項)に該当していない方
・理事3名以上、監事1名以上の役員を置くこと(医療法第46条の2第1項)。理事のうち1人は理事長とし、医師または歯科医師である理事のうちから選任すること
・社員3名以上
医療法人の設立認可は各地域にある厚生局の窓口で受けることができます。窓口は多くの地域で、基本的に年に1回から多くても数回の受付期間に限られています。
医療法人は、人に関する要件の他に開設する診療所などの業務を行うために必要な施設、設備または資産を持っていなければなりません。この条件を満たすために行われるのが拠出(寄付)です。拠出(寄付)される財産は、大きく分けて、不動産や運営基金などの基本財産と、基本財産以外の資産、たとえば診療機器などの通常財産があります。
これが拠出(寄付)とされていることが重要な点で、医療法改正以前は、出資分に応じた「持ち分」が認められていました。ところが「持ち分」制度が廃止されたために、法人開設の際は財産を拠出(寄付)することとなったのです。拠出(寄付)した財産が返還されることはありません。
医療法人は運営資金に関しても規定があります。株式会社の場合は資本金が1円でも設立可能ですが、医療法人の場合は財産がないと信頼性の高い医療サービスを提供できないとみなされます。従って最低限の運転資金が必要であり、その額は初年度の年間支出予算の2ヶ月分相当と考えられています。しかも、これは現預金等の換金が容易なものであることが求められ、設立後の金融機関などからの借入金を充てることはできません。
医療法人は名称に関しても規制があります。規制は各都道府県によって異なり、たとえば東京都の場合は、下記のように定められています。
1)「医療法人社団」「医療法人財団」は必ず表記する
2)誇大な名称は避ける
(例)◯◯クラブ、◯◯研究会、◯◯グループ、◯◯センターなど
3)国名、都道府県名、区名及び市町村名を用いないこと
4)既存の医療法人(都内、他県の隣接地域にあるものを含む)の名称と、同一又は紛らわしい表記は避けること
5)取引会社等関係がある営利法人の名称は用いないこと
6)診療科名を単独では使用不可(ただし固有名詞(クリニック等)と組み合わせて使用することは可能)
7)広告可能な診療科名として認められていないものを名称の中に含めることはできない
8)当て字等で通常の漢字と異なる読み方になるもの(アルファベット表記で読めないものを含む)は避けること
【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。