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医療法人設立で減免のメリットを受ける

**第2章**

法人化のメリットで大きいのが消費税の扱いです。法人、すなわち新しい事業主体ができたときには、最大1年7ヶ月間は消費税が猶予されるのです。これは個人事業者が法人化する場合に共通するメリットですが、医療法人の場合は、金額が大きい分享受できるメリットも大きくなります。仮に個人で開業していた時に年間500万円程度の消費税を収めていた場合、法人化により最大800万円程度の余剰資金を得ることができるのです。

ただし、こうした減免制度を受けるためには、決算月や事業年度の設定などを定款作成時にきちんと考えておく必要があります。減免制度自体は税理士や会計士の担当領域になりますが、事業年度の設定などを盛り込んだ定款の策定は行政書士の担当領域となります。

既に何度かこの話題には触れましたが、医療法法改正前の医療法人には、株式会社同様の「持ち分」が設定されていました。「持ち分」とはわかりやすくいえば、法人を作るときの出資割合に応じて得られる残余財産に関する権利です。少し詳しく見ていきましょう。

たとえば法人設立時に2人の出資者が50万円ずつ出資したとします。他に出資者がいない場合、各出資者の持ち分は50%ずつとなります。その後、医療法人が事業を伸ばしていき、現時点での財産が1000万円になったとします。すると、出資者は50%の「持ち分」があるので、1000万円の財産に対して500万円分の権利を持つことになります。法人の方針などを決める際の議決権についても、出資者二人が同等の二分の一の権利を持つことになります。また、仮に法人を解散する場合は、解散時の財産を持ち分に応じて配分することができます。

この制度が相続による事業承継時の問題となりました。つまり出資金は50万円しか出していなくとも、現在価値は500万円とみなされるため、これを相続するとなれば、当然500万円を対象とした相続税が課税されることになります。現在価値が大きい場合には相続税を払えないために、事業承継がスムーズに行かないケースが出てきたのです。この問題を解決するために取られたのが「持ち分」制度の廃止です。

「持ち分」がなければ、出資額に応じた権利もありません。従って財産に関する権利もないため相続税がかかることもありません。その代わり、医療法人を解散する場合、残余財産を処分することもできなくなったのです。

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【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。