旧コラムアーカイブ
行政サービス徹底活用術行政活用

遺言を公正証書で残す

**第2章**

事業承継は、関係者が多いだけに複雑な要素をはらみます。まず、いくらオーナー創業者とはいえ、その遺言だけで会社のすべてを決定することはできません。遺言が効力を発揮するのは、あくまでも故人の財産のみです。遺言に今後の経営方針や、遺族と会社の関わり方などを書くことは自由ですが、法的な効力は持ちません。最近はやっているエンディングノートなども法的には無効です。

株式会社となっている場合には、株式の配分によって会社の決定権を左右することが可能です。つまり事前に、後継者と目する人物を決めておき、その人に経営の決定権を握れるだけの株式を持たせるのです。

中小企業の場合には株式は公開されていないケースがほとんどでしょうから、親族で株を持っておき、株主総会を開いて意思決定すればよいのです。ただし、その場合でも、事業自体を引き継ぐ相手を確定しておくことが必要であり、さらにいえば、いま経営の舵取りをしている社長がいなくなったとしても、会社経営に支障が出ない組織形態を作り上げておくことが必要です。

トラブルが起こりやすいのは、なんといってもお金が絡む問題です。たとえばオーナーが個人的に会社に対して、お金を貸し付けているケースがあります。この場合、オーナーからすれば貸付金であり、会社からすれば負債となるわけです。生前は表面化しない問題ですが、オーナーが亡くなると貸付金は遺族にとっての遺産となります。事前に何も手を打っておかなければ、遺産は全相続人に相続の権利が生じます。

【注記】この記事は開発者Tが以前に執筆したコラム・出版準備した書籍原稿からのものです。内容は当時の法令・制度等に基づくものであり、現時点での正確性を保証するものではありません。最新の情報は本AI行政コンパスのチャット画面等でご確認ください。